日本の国菌と出会う3日間

この度、今野華都子先生のご厚意で「日本の国菌と出会う3日間」と題して、伊勢と東京で、糀づくりのワークショップをさせていただくことになりました。

わたしが糀をはじめて起こしたのは市販の種糀からではなく、稲霊からでした。稲霊とは稲穂の先にできる黒い球のようなかたまりで、現代ではイモチ病と呼ばれ、発生しないよう薬が撒かれているのですが、稲霊は昔は豊作の証とされていました。
古の人たちは稲霊から種糀を培養し、それを元に糀を作っていたという話を聞き、わたしもその人たちのように糀を作ってみたいと思ったのがきっかけでした。

稲霊をはじめて見た時、深いところが激しく揺さぶられたのを今でもはっきりと覚えています。
わたしはそれまでアイデンティティというものにまるで無自覚でした。

それが稲霊を見た瞬間、
「わたしは日本人である。」
自分のルーツをはっきり自覚しました。

科学的な分析や分類の進歩により稲霊からできたそれと国菌の糀とは別のものとされているようですが、学術的なことと個人の直観もまた別のものです。

蒸した米に麹の花が咲いて行く様というのは、見えない世界から見える世界に姿を持って現れる、さながら生命の誕生に立ち会う、わくわくとときめきと感謝、そして愛があふれています。

この感覚を、今野先生のもとで古事記を学ぶ皆さんはじめ、多くの方々と分かち合いたいと思っています。
ご一緒できることを心から楽しみにしています。